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第19回左官工事雑学講座

皆さんこんにちは!

希工業、更新担当の中西です。

 

~左官工事の世界~

 

左官工事は、建築仕上げのなかでも最も“職人の技術が現れる仕事”といわれます。
鏝(こて)を使って塗り重ねられる壁や床は、職人のリズム、呼吸、癖、経験すべてが表情となって現れる、唯一無二の仕上げです。

しかし多くの人は、左官の仕事を「壁を塗る仕事」と簡単にイメージしてしまいがち。
実際の左官工事は、素材の選択、下地づくり、環境の読み取り、鏝さばき、乾燥管理など、非常に奥が深い高度な仕事です。

今回のブログでは、
左官の基礎から技術、仕上げ、材料、現場のリアル、そして美しい壁をつくるための哲学 まで、わかりやすく3000字以上で紹介します。


■ ◆ 左官工事とは?壁と床を“つくり、仕上げる”職人技🧱✨

左官とは、建物の壁・床・天井などを鏝で仕上げる仕事です。

主な施工箇所👇

  • 外壁(モルタル、塗り壁)

  • 内壁(珪藻土、漆喰、ジョリパットなど)

  • 土間(コンクリート床の仕上げ)

  • 玄関土間

  • 店舗のデザイン壁

  • 和室の仕上げ

  • 下地作業(ラス張り、メッシュ施工など)

「塗る」だけではなく、
建物の耐久性・意匠性・快適性に関わる非常に重要な工事なのです。


■ ◆ 左官工事の基本工程を詳しく解説🔧

左官工事は以下の流れで進みます。


① 下地づくり

左官は“下地が命”。
下地が悪ければ、どれだけ腕の良い職人が塗っても仕上がりません。

工程👇

  • 清掃

  • 下地処理

  • ラス(金属網)やメッシュ張り

  • 下塗り(モルタルなど)

  • 乾燥期間の管理


② 材料の練り

左官材は水分量が命です。
水が1割違うだけで仕上がりがまったく変わるため、練りの技術が必要。


③ 中塗り

厚みを確保し、壁に強度を持たせる工程。


④ 仕上げ塗り

左官の“腕”が最も出る工程。

  • 鏝の角度

  • 力の入れ方

  • 動かす速さ

  • 重ねる順番

  • 一筆目・終わりの処理

これらのわずかな違いが壁の表情を変えます。


⑤ 乾燥・養生

塗りすぎ(水分過多)や乾燥の急激な変化で
ひび割れや色ムラが発生するため、職人は乾燥環境も読み取ります。


■ ◆ 左官仕上げは種類が豊富!仕上がりで空間の印象が変わる✨


● 漆喰(しっくい)

石灰を使った伝統的な左官材料。

  • 抗菌

  • 調湿

  • 白さが美しい

  • 呼吸する壁

日本の和室や蔵でよく使われています。


● 珪藻土

調湿性能が非常に高く、
結露対策に人気。


● ジョリパット(デザイン性が高い)

外壁などで人気の仕上げ材。
色・パターンが豊富で自由度が高い。


● モルタル仕上げ

無骨でスタイリッシュな雰囲気が出せるため、
店舗やガレージで人気。


● 土壁

伝統工法で自然素材の雰囲気が魅力。


● 砂漆喰・掻き落とし・刷毛引きなどの“職人技パターン”

鏝跡を残す・掻き取る・凹凸をつくるなど、仕上がりが多彩。


■ ◆ 左官職人の鏝(こて)は種類が豊富🛠️

鏝は左官職人にとって“筆のような存在”。

種類👇

  • 仕上げ鏝

  • 中塗り鏝

  • 土間鏝

  • 角鏝

  • ハケ引き専用鏝

  • 刷毛引き鏝

  • モルタル鏝

鏝の種類、材質(ステンレス、鋼)、角度、持ち方で
全く違う仕上がりが生まれます。


■ ◆ 左官の技術は“一朝一夕では身につかない”理由💡

左官は経験値が非常に重要で、

  • 気温

  • 湿度

  • 材料の乾き

  • 壁の大きさ

  • 下地の状態

  • 光の入り方

これらを瞬時に判断して作業する必要があります。

そのため、
「10年で一人前」と言われるほど奥が深い世界です。


■ ◆ 左官工事でよくあるトラブルと対策⚠️


● ひび割れ

原因:水分量、下地不良、乾燥環境
対策:下地処理・適切な乾燥管理


● 色ムラ

原因:乾きムラ、塗り継ぎによる差
対策:継ぎ目のないように塗り切る


● 剥がれ

原因:下地が悪い、接着不良
対策:下地から丁寧に施工する


左官は“見えないところの丁寧さ”が仕上がりを大きく左右します。


■ ◆ 左官の仕事は“空間の印象を変えるデザイン業”でもある✨

左官等の施工は、住まいや店舗の雰囲気を大きく変えます。

  • 温かい空間

  • 無機質でかっこいい空間

  • 和風

  • ヨーロッパ風

  • モダンな質感

仕上がり次第で雰囲気が一変。

左官職人は、
「どう仕上げると美しいか」
「どんな質感がお客様の希望に合うか」
を考えるデザインのプロでもあります。


■ まとめ

左官工事は、“壁を塗る”以上に奥深い。
材料選び、下地処理、鏝さばき、乾燥管理など、
全てが仕上がりに直結する職人仕事。

左官は空間の表情をつくる、
建築業界の“美の職人”といえる存在です。

 


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