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月別アーカイブ: 2025年4月

第6回左官工事雑学講座

皆さんこんにちは!
希工業、更新担当の中西です。

シリーズ「日本の左官技術雑学講座」今回は、**「伝統技法×モダンデザイン ~和洋折衷の左官アート事例」**をご紹介します。伝統的な左官技術と現代のデザイン感覚を融合させることで、唯一無二の空間演出が可能になります。実際の事例をもとに、和洋折衷の魅力を紐解いていきましょう♪


1. 漆喰×コンクリート打ち放しのコントラスト

事例概要

  • 場所:都心のデザイナーズマンションエントランス

  • 技法:左官仕上げの漆喰壁と、あえて打ち放し仕上げのコンクリート壁を隣接

ポイント

  • 漆喰の柔らかな白とコンクリートの無骨さが相互を引き立てる

  • 漆喰は微細なテクスチャを残し、光の陰影で豊かな表情を演出

  • コンクリート面にはレザー刷毛引き仕上げで、直線的なラインを強調


2. 土壁×モダンカラーのアクセントウォール

事例概要

  • 場所:カフェのカウンター背面

  • 技法:伝統的な土壁の左官仕上げに、グレイッシュなブルーをワンポイント塗装

ポイント

  • 土壁の素朴な質感とマットなカラー塗装が調和

  • 下地の荒らし仕上げを活かし、色ムラをあえて残すことで手仕事感を演出

  • コーヒーカウンターの木目と土壁の色合いが、温かみある空間を創出


3. 珪藻土×金箔装飾のラグジュアリールーム

事例概要

  • 場所:旅館の特別室・壁面パネル

  • 技法:珪藻土仕上げ後、部分的に金箔を貼り込むアートパネル

ポイント

  • 珪藻土の調湿性・消臭性を活かしつつ、金箔の輝きでラグジュアリー感をプラス

  • 金箔はランダムに配置し、夜間は間接照明で陰影を楽しめる仕掛けに

  • 壁面パネルとして取り外し可能にし、将来の模様替えにも対応


4. 3Dプリント型×伝統鏝仕上げの立体アート

事例概要

  • 場所:オフィスエントランスホール

  • 技法:3Dプリントで制作した型枠にモルタルを流し込み、硬化後に鏝仕上げで凹凸を強調

ポイント

  • デジタルデザインの精密さと、鏝の手仕事感が融合

  • 凹凸に合わせて色付けし、立体的なパターンを際立たせる

  • モルタル下地にガラスビーズを混入し、光を受けてキラリと輝く演出


まとめ—伝統と革新が生む唯一無二の空間

  1. 素材と仕上げのコントラストが、空間に深みをもたらす

  2. 色彩とテクスチャを組み合わせることで、手仕事の温かみと現代性を両立

  3. デジタル技術と伝統鏝仕上げを融合し、新しい表現の可能性を拡大

希工業では、伝統技法と最新デザインを組み合わせた左官アートを多数手がけています。お客様のご要望に合わせたオーダーメイドの壁面デザインで、空間を唯一無二のものに仕上げます!


次回は、左官工事施工プロセス解説 準備から仕上げまで流れ紹介ます実際現場手順しく解説ますのでお楽しみ

詳しくはこちら!

 

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第5回左官工事雑学講座

皆さんこんにちは!
希工業、更新担当の中西です。

シリーズ「日本の左官技術雑学講座」、前回は現場の職人の「技」と「こだわり」をご紹介しました。今回は、**「左官素材の選び方と長持ちさせるメンテナンス術」**をお届けします♪

左官仕上げの美しさは、素材選びと日々のケアで大きく変わります。適切な素材を選び、正しいメンテナンスを行うことで、何十年先も美しい壁を保つことができます。それでは早速ポイントを見ていきましょう!


1. 用途別・素材の特徴と選び方

素材 特徴 適した用途
漆喰(しっくい) 通気性・調湿性に優れ、防カビ・消臭効果あり 和風住宅、蔵の内装、湿気の多い場所
土壁 自然素材ならではの温かみと断熱性 古民家再生、自然志向のインテリア
モルタル 強度が高く、下地補修にも使える 外壁、RC造の内装、補修用途
珪藻土(けいそうど) 調湿・脱臭性に優れ、手触りがソフト リビング、寝室、子ども部屋
ステンコート カラーバリエーション豊富、防汚・耐久性が高い 商業施設、店舗のアクセントウォール

選び方のポイント

  • 環境条件:湿気や直射日光の有無を考慮

  • デザイン性:色味・テクスチャーで空間イメージを明確に

  • 耐久性:耐候性や汚れにくさを用途に合わせて判断


2. 左官仕上げを長持ちさせるメンテナンス術

① 定期的なホコリ落とし

  • 方法:柔らかいブラシかマイクロファイバークロスで乾拭き

  • 頻度:月に1回程度、優しくホコリを落とすだけで表面の劣化を防止

② 水拭き&中性洗剤ケア

  • 方法:軽く湿らせた布で拭き、その後乾拭き

  • 注意:強アルカリ性洗剤や研磨剤入りはNG。素材を傷める恐れあり

③ クラック(ひび割れ)対策

  • 初期対応:小さなクラックは専用の左官パテで補修

  • 大規模補修:目立つ割れは、部分的に剥がして下地から再施工

④ 塗り替え・保護コーティング

  • 塗り替え:10~15年を目安に、表面を薄く再塗り

  • コーティング:撥水性・防汚性を高めるクリアコートを活用


3. プロが教える現場ワンポイント

  • 施工後の初期養生:仕上げ後1週間は直射日光や強風を避け、湿度50~60%を保つとひび割れを抑制

  • 下地の重要性:下地モルタルの水分量を適正に管理し、素材の接着力を高める

  • 職人の勘:左官は経験がものを言う仕事。目視と手触りで乾燥具合を見極める技術が長持ちの秘訣


まとめ—素材選びとメンテナンスで美しさをキープ

  1. 用途に合わせた素材選びで機能性とデザイン性を両立

  2. 日々の優しいお手入れで表面の劣化を防止

  3. 定期的な補修・コーティングで、何十年先も美しい壁を維持

希工業では、素材選定からメンテナンス計画までトータルでサポート。お客様の大切な空間を、末永く美しく保つお手伝いをいたします!


次回は、**「伝統技法×モダンデザイン ~和洋折衷の左官アート事例」**をご紹介します。左官が生む新しい空間表現をぜひご覧ください!

詳しくはこちら!

 

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